難聴者とのコミュニケーション

セイビドーオリオン通り本店、認定補聴器技能者の五味です。

補聴器の性能と共に、重要なのが周りの人たちの難聴者への接し方です。

接し方の参考にしていただければ幸いです。

補聴器をつけても完璧に聞こえが回復するわけではありません。

゛聞こえの痛み゛を取り除くには、聞きやすい環境を周囲が作ってあげることも大切です。

BGM、新聞紙をめくる音、包装紙や買い物袋を開ける音、台所の水周り音、ドライヤーや掃除機の音、

つけっぱなしのテレビ音声などのある場面では、

聞きたい音声がマスキングされ聞こえなくなります。

難聴者との対話のスキルを向上させることも大事です。

例えば「ソバと鰻、どちらが食べたいですか?」と尋ねる場合、

「ソバのする?」の質問にも「うん」と答え、

「鰻がいい?」と聞いても「うん」と返事が返ってくることがあります。

YESかNOだけで答えが済んでしまうような質問は、その後の対話が続きにくいのです。

「ソバと鰻と、どっちがたべたい?」と問われれば、

「鰻丼にする。しばらく振りだから」と話しが進む余地が生まれるでしょう。

相手の顔を見て、句読点を目安に間を入れ、抑揚を強調すると良いのです。

日本人の話し方は昔に比べ、間をおかず早口になる、

文末の言葉が弱くあいまいな発音になってしまうなど、

難聴者にとって人の話しが聞きにくい世の中になっています。

相手が難聴者だからゆっくり話さなければならないと意識しすぎると、

一音節ごと区切った発音をしてしまいロボットの機械音声のようなメリハリの無い平坦な声になり、

かえって伝わりにくくなってしまいます。

難聴者に分りやすい話し方の要点は、次のことです

① 細かく区切りすぎず、句読点を目安に間をおいて

② 早口にならず、ゆっくりと自然な抑揚をつけて

③ 語尾を曖昧にせず、文末まではっきりと

④ 自分の顔を逆光にせず、相手の顔を見て

⑤ 複数の人が同時に話さず、一人ずつ

⑥ 雑音や反響の少ない場所で

コミュニケーションの少しの参考になれば、良いと思います。