思い出の眼鏡

こんにちわ

『山梨で創業118周年、子供メガネ・シニアメガネ・補聴器はお任せ下さい。』

セイビドー本店のSS認定眼鏡士、市川です

今回は

先日治療用の眼鏡のページが公開されましたので

(治療用眼鏡のページは

 こちらからhttp://www.seibido.com/treat/

その治療用眼鏡を使うお子さんとの思い出をひとつ

『治療用眼鏡』

それは

先日依田のブログにもありました通り

弱視や斜視を治療改善する目的で作られる眼鏡の事です。

単純に近視、遠視、乱視を矯正する為だけじゃない

とっても大切な眼鏡の事です。

ちょうど5年前

2009年3月

当時、僕がリバーシティ店に異動になったばかりの頃

入社して3年程経ち

そこそこいろんな仕事がこなせるようになってきた。

自信?

う~ん、少しだけついてきたかも?

そんな時期でした。

ある日の夕方

1組の母娘が来店しました。

眼鏡を作りたい。

眼科で眼鏡の処方箋をもらっている。

この日は色々な眼鏡屋さんに行ったが

その処方の眼鏡が作れないと断られてしまった。

との事。

ですから

まず、お母様からは

この度数の眼鏡が作れますか?

と聞かれました。

処方箋を見ると強度の遠視でかつ大きい窓の2重焦点を指定されていました。

指定のレンズの製作範囲をお調べしたところ

やはり弊社でも通常使うレンズでは製作ができない度数でした。

『やっぱりダメですか・・・』

お2人は肩を落としてガッカリしたご様子

それまでメガネについて、ここまでガッカリされたことってありませんでしたから

今でも覚えています。

でも

もしかしたら自分が知らないだけで

作れるレンズが存在するのではないか?

自分で分かったつもりになって

簡単に『できません』

なんて言ってはダメ

不安、落胆、疲労を隠せないお二人を見ていて

そんな風に思いました。

それから

とにかく片っ端からレンズメーカーさんに問い合わせをしました。

一つだけ作れる方法を見つけました。

行き着いた答えは

レンズメーカーの東海光学様によるクラフトレンズで

フランクリンレンズというレンズでした。

フランクリンレンズとは

メガネのレンズを目の位置で上下に真っ二つに分けて

上は遠くを見る度数のレンズ、下は近くを見る度数のレンズ

左右合計4枚のレンズを組み合わせて作るレンズです。

これならば近方の広い部分を確保しつつ

強度の度数もお作りする事が出来ます。

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フレームの代金と2組のレンズと特殊加工代金

決して安いメガネではありませんでしたが・・・

『出来るレンズ見つかりました!作れますよ!』

そう伝えた時のお母様

そして

その子の笑顔が

ずっとずっと忘れられず

今もメガネ屋で働く自分の中で大きな礎になっています。

出会ってから5年

当時6歳だったその子もずいぶん大きくなりました。

たまにメガネの調整にお店に来ると

いつも元気に『ありがとうございました!』って

笑顔で言ってくれる

ありがとうって伝えたいのは

本当は僕の方

あの時

お店に来てくれて

メガネを作ってくれて

本当にありがとう